5年前から朝起きた時腰に痛みを感じ、夜になると更に痛みが強くなる・・・以来マッサージに通ったりしているのですが、なかなか良くなりません。整形外科では「腰の骨がズレている」とも言われました。コルセットをはめ、牽引治療をしましたが、結果はもう一つでした。
2〜3年前からは膝も痛み始め、レントゲン検査では変形性膝関節症の診断を受けました。温熱治療を行い、膝の水が溜まると水を抜いていますが、痛みは膝と腰の繰り返しです。
変形性膝関節炎は、膝の軟骨が磨り減ったために起こると言われていますが、実際は腰からの神経痛的要素が強いようです。膝の回りの筋肉が低下することによって、骨に負担が掛かり変形が起こってくるのですが、変形した人がすべて痛みを生じるわけではありません。
治療法としては、水が溜まると水抜きを行い、ステロイド・ホルモンの注射を行いますが、長い間注射を繰り返すのは要注意です。膝のお皿の動きが悪くなって膝に問題が起きているのですから、腰の治療と膝のお皿の動きを良化する方法を選択します。
右膝が痛い場合は上部腰椎の胸腰椎移行部を、左膝が痛い場合は下部腰椎の腰仙椎移行部を治療します。腰を曲げたり伸ばしたりしながら、お皿に動きをつけます。お皿がスムーズに動くようになったら、膝の動きは相当良くなるはずです。膝の悪い人は、足の大腿四頭筋の筋力を上げることが大切です。
NPO法人健美療術師協会会報 2003.4月号−2より
 
20代の女性ですが、最近ハワイアンダンスを習い始めてから腰痛が慢性化し、脚を挙げる時などに股関節の周辺に痛みと異様な音が出ます。もともと運動不足で、足腰は弱い方なのでダンスを始めたのですが、続けていても大丈夫でしょうか?
運動不足解消のためにスポーツやダンスを始める人に多いのですが、運動量を急に増加させることで関節や筋を痛めてしまうのです。運動は良いものだと信じ込んでいる人が多いのですが、決してそうではありません。時には毒にもなります。
どんな時に悪いかというと、疲れているときには毒です。十分に休息した後で運動してください。それから急な運動も毒です。筋や関節に段階的な負荷をかけて慣らしていく必要があります。
初めは物足りないくらいの量から始めて、一週おきに少しずつ負荷を増やしていきましょう。特に血圧の高い人や心臓の弱い人は、急な激しい運動は危険です。
さてダンスですが、痛みのある間は安静にして、痛みが落ち着いてから散歩などで基礎的な体力を徐々につけて、無理のない量の練習量で再開されたら良いと思います。
NPO法人健美療術師協会会報 2004.4月号より
 
腰が痛くなり足にしびれを感じ、病院でレントゲンを撮って診てもらったところ、腰椎ヘルニアとのことでした。しばらく通院して牽引治療をしたところ痛みは軽減しましたが、痺れ感がいまだあるのと、すっきりと背筋が伸びません。整体で何か有効な治療法がありますか?
病院の牽引治療を継続していくことで良くなる場合と、そうでない場合とがあります。牽引が良くない場合というのは、脊柱の側湾が大きい場合と、すべり症(脊椎分離症を伴わない腰椎4〜5番の過前湾)がある場合です。
側湾がある場合は、片方の筋や靭帯が過度に伸ばされて炎症を起こし、かえって痛みが増す場合があります。すべり症がある場合にも、牽引することですべりが更にひどくなり、痛みが増します。
正体法でいう「腰椎4〜5番の陥没」も同様ですが、拇指圧を加えると、更に陥没がひどくなり痛みが増しますので、注意が必要です。
ヘルニアの大きな原因は、腰椎の正常な湾曲が歪んだために、分散されるはずの椎間板への圧力が1箇所に集中することです。即ち、根本的な治療としては腰椎の矯正が最も有効で、特にガンステッドテクニックの矯正方法には即効性があります。また、経絡療法も大変有効です。
NPO法人健美療術師協会会報 2005.4月号より
 
片道2時間ほどの運転をした後に、お尻の右側の股関節の上あたりに鈍痛が起こり、特に歩くときに小さな痛みを感じて不愉快です。うつ伏せになり、友人に膝でお尻に乗ってもらい少し楽になりましたが、深い鈍痛は解消しません。骨盤が歪んでいるのでしょうか?
鈍痛の位置からすると、右腸骨の下方に位置する梨状筋の硬縮による坐骨神経痛と思われます。冷えや疲労から筋が緊張している場合もありますから、大臀筋の下の梨状筋の状態を調べてもらい、硬縮していたら強めに押圧してもらうと楽になります。
梨状筋に特に大きな硬縮がない場合は、腰椎5番の坐骨神経神経根圧迫等が考えられます。腰椎の5番の変位は、仙骨や腸骨など、骨盤とも連動していますから、骨盤の変位も調べて矯正を行ってもらってください。軽度なので、即効性が期待できそうです。
片道2時間の運転がきっかけになったということは、肝臓や腎臓の影響(経絡整体的な観点)で、右側の脊柱起立筋に緊張が起こり、腰椎または腸骨の変位の遠因となったことも考えられます。
右側の疾患は、特に肝臓の影響を受けている場合が多いので、肝臓を温熱療法または経絡の足圧などで刺激し、活性化すると更に効果的です。
NPO法人健美療術師協会会報 2007.7月号より
 
40代前半の女性です。3ヶ月前から左側の股関節が痛くなり、特に階段の昇降が辛く、整骨院に通院して電気をかけていましたが、変化がありません。いすに座ると、左膝が右膝より前に数センチ出ており、左足が長いようです。整体の治療で改善するでしょうか?
変形性股関節症だと思われます。通常は腸骨のズレ(変位)から、大腿骨骨頭の高さに左右差が生じて、低いほうの股関節に重心がかかり、その負担から関節腔が狭くなり、関節面が摩滅して炎症を起こします。
階段の昇降時に痛むのは、左側の股関節に重心がかかり、関節腔が狭くなって炎症を起こしている関節面を刺激するためと思われます。早めにレントゲン写真で股関節の関節腔を検査されることをお勧めします。
ガンステッドカイロプラクティックでは、腸骨の矯正前と矯正後の大腿骨骨頭の高さの左右差を算出して、矯正後も7mm以上の場合にはシューリフト(靴の中敷)を使用するよう指導します。
シューリフトの使用により、股関節症の進行を抑えることができます。座位で左側の膝が前方に出ているのは、腸骨の外方変位が強いためですが、腸骨が外方または後下方の変位時に大腿骨骨頭は低くなり、脚は他方より短くなり、シューリフトが必要になります。
NPO法人健美療術師協会会報 2008.1月号より
 
事務職をしている者ですが、夏場になるといつも左の腰から足にかけて痛みとシビレがでてきます。仕事場はちょうどエアコンが当たる場所なので、常に毛布をかけて予防はしているのですが…。
元々冷え性で足の方が冷たく、ストッキングと靴下は離せません。昨年も病院に行きましたが、レントゲンを撮っても異常は見られず、牽引と薬だけで調子は良くなりませんでした。今年はどうすればよいのか不安でなりません。
症状があっても原因がはっきりしない下肢の痛みを「坐骨神経痛」と呼びます。これは、おしりの仙骨から大腿骨にかけて走る筋肉の間を坐骨神経が通過していますが、この部分の筋肉が硬くなると神経を圧迫するため、椎間板ヘルニアのような症状を起こしているわけですから、この筋肉の過緊張を取り除いてやれば、痛みは解決するわけです。
レントゲンに異常がないとすれば、ヘルニアはないようですし、牽引しても改善しないということは、以上のような筋肉の問題と思われます。主に、梨状筋を中心に緊張を取り除きましょう。ホットパックで殿部を暖めたり、肘や膝を用いてソフトに押圧するのが効果的。また歩く(30〜40分)ことも、予防に効果的です。
 
20代前半の女性です。夏になると素肌を晒す部分も多くなりますが、近ごろ上半身に比べて下半身が太めになってきて、ショートパンツや水着を身に着けるのに気後れしています。
それに最近、股関節のあたりが横に出てきた感じで、去年まで履いてたズボンがきつくなり、困っています。体重はほとんど変わっていないので、骨盤か股関節がずれているのではとも思いますが、何かよい解決方法はありませんか。
体重が変わらずに下半身が太めになった場合は、下半身の「むくみ」が原因だと思われますが 特に、パソコン等の座りっぱなしの事務仕事の女性に多い症状です。足の筋肉を長時間動かさないと、静脈やリンパの還流が停滞し、水分が血管やリンパ管から出て浮腫となります。
浮腫には乳酸等の老廃物も含まれ、筋肉や皮膚にも悪影響を及ぼしますので、こまめにトイレに行くなど歩くとよいでしょう。
また、股関節が出てきたという状況ですが、肥満と関係なく、股関節の亜脱臼により大転子が外方向に出っ張り、結果的に太腿が太くなり、ズボンがきつくなるということがあります。
猫背気味の姿勢で仕事をしていると、骨盤が後湾して寛骨の転位が起こり、結果的に股関節の転位(大腿骨の後下方転位と亜脱臼)が起こります。これは、数回の整体療法で矯正が可能です。
 
高校生の男子です。野球の練習で1ヶ月前から腰が痛くなりました。普通に歩いていては痛くないのですが、ランニングやダッシュをすると痛みを感じます。良い対処法を教えて下さい。
スポーツ選手の腰痛は、打撲や転倒等の事故によるもの以外では、過度のトレーニングによる痛みがほとんどです。この場合、筋肉の疲労による痛みなのか、筋の疲労から腰椎の転位(ずれ)が起こり、神経を圧迫して起こる痛みなのか、を判断します。
<腰椎の異常の場合>
@椎間板ヘルニアの場合による痛みは、片側の足にしびれや痛みが出る場合が多い。
A脊柱管狭窄症の場合、両方の足にしびれや痛みが出る場合が多い。@、Aの場合にはレントゲン、MRIをとってもらい、どのくらいの神経圧迫なのかを確認します。
その検査の結果、異常がない場合、整体療法に入ります。 腰椎5番、4番、3番の横倒れ、陥没、仙骨の上下浮上、横倒れ、寛骨の左右のズレを治します。
<筋の疲労による場合>
どの筋肉が痛いのかを見つけ出し、その筋をよく緩解する。特に、浅腹筋は体幹運動に不可欠のものであるので、以下の筋の状態を丁寧に調べる。
 @側腹筋(外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋)
 A前腹筋(腹直筋・錐体筋)
 B深腹筋(腰方形筋・腸腰筋・大腰筋)。
また、胸椎7〜12番の転位が起こりやすいのでよく調べて矯正する。
以上の観点で、筋の疲労から起こる炎症や椎骨の転位が原因の腰痛は、4回〜8回くらいの施術でよくなるはずです。なお、通院中の練習は避けてもらいます。数回の施術で変化が見られない場合には、整形外科の受診を勧めます。  (創体療術院・松崎幸雄院長)
 
筋弛緩剤のお薬を飲んで良くなりました。今年の6月、2時間ほど草むしりをしたら2日後から腰痛が起こり、病院だと異常なしといわれそうなので友人の勧める接骨院に行ってみました。筋肉の疲労とい昨年の6月に急性の腰痛になり、整形外科を受診しましたが、特に異常はなく鎮痛剤ということで電気をかけ、少しマッサージをしてもらいましたが、翌朝、痛みが強くなり、一度は整体で診てもらいたいと思っています。どうでしょうか?
季節的に同じ時期に出る腰痛だとすると、梅雨の時期に起きやすい「むくみ」が原因の一つと思われます。中医学的な観点から言えば、湿度が高くなると汗ばむことが多くなり、気化熱が体温を奪い、体表が冷え腎機能が弱くなります。
また、低気圧のせいで体が膨張して浮腫が起きやすくなります。そうなると、草むしりで発生した筋肉中の乳酸を含むリンパの排出が円滑に進まず、筋肉疲労、更には乳酸が炎症を引き起こして筋肉痛に発展します。
また、接骨院で電気(多分低周波)をかけマッサージを施したのであれば、乳酸の排出が進み痛みは軽減しますが、翌日に痛みが増したことを考えると、ひどい凝りによって骨盤や腰椎のズレ(変位)が引き起こされている可能性があります。
腰椎捻挫や仙腸関節の変位、いわゆるギックリ腰の有無を検査してみましょう。関節の変位があると、靭帯や筋肉が硬化して関節の固着化を引き起こし、可動性の減少、浮腫の増大により痛みが発生します。
この時期、交通事故などの後遺症、いわゆる古傷が痛むのも同じ原因です。捻挫など後遺症の大半は、関節のずれが完全に矯正されていない場合が多く、梅雨の時期は腫れやすく痛みが出るのです。矯正して、超短波やビワの葉温圧療法でむくみを取ることで改善します。
以上の状況から、根本的な原因を知るために、整体院で検査を受けることをお勧めします。
 
26歳の男性保育士です。小さな子供達を相手に抱き上げたりおんぶしたりと肉体労働が多いのですが、最近腰と右側の股関節の内側が痛くて、仕事に集中できません。マッサージに何度か行ったのですが、少しは楽になるのですが、また痛くなるの繰り返しです。
18歳のころ、腰痛で整形外科を受診した時に、すべり症だと言われて痛み止めをもらい治ったのですが、それが今回の腰痛にも関係あるのでしょうか?
単なる筋肉疲労が原因の腰痛なら、マッサージを受ければ楽になり、良くなると思います。一時的に楽になっても再発するのであれば、骨盤か腰椎のズレ(変位)が考えられます。
特に股関節の内側の痛みは、大腿を外旋しようとする時に出やすく、腸骨が前方に閉じるようなズレ(背面から見て外方変位)が考えられます。また、腰椎のすべり症の傾向がある場合は、腸骨の外方変位の原因となる「仙骨の右側(患部側)の前方変位」も複合的に起きていると考えられます。
腰痛が時々であったり、足のシビレやマヒが伴わないのであれば、すべり症は深刻な状態ではなさそうです。ただ、腰椎の前湾が過度である場合には、腰の指圧やローラーベッドは避けなければなりません。マッサージを受ける場合には、腰を強く圧迫しないように先生に言っておかなければなりません。
整体の先生に骨盤、特に仙骨と右側(患部側)の腸骨のズレを検査してもらってください。上述のようなズレが確認された場合には、数回の矯正を受けることにより、根本的に痛みは改善されると思われます。