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冷え性で足の方が冷たく、ストッキングと靴下は離せません。昨年も病院に行きましたが、レントゲンをとっても異常は見られず、牽引と薬だけで調子は良くなりませんでした。今年はどうすればよいのか不安でなりません。 |
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症状があっても原因がはっきりしない下肢の痛みを、「坐骨神経痛」と呼びます。 これは、おしりの仙骨から大腿骨にかけて走る筋肉の間を坐骨神経が通過していますが、この部分の筋肉が硬くなると神経を圧迫するため、椎間板ヘルニアのような症状を起こしているわけですから、この筋肉の過緊張を取り除いてやれば痛みは解決するわけです。 レントゲンに異常がないとすれば、ヘルニアはないようですし、牽引しても改善しないということは、以上のような筋肉の問題と思われます。主に梨状筋を中心に緊張を取り除きましょう。 ホットパックで殿部を暖めたり、ひじやひざを用いてソフトに押圧するのが効果的。また、歩く(30〜40分)ことも予防に効果的です。 NPO法人健美療術師協会会報 夏号 |
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50歳代後半の主婦ですが、最近、梅雨の時期に入る頃から膝が痛くて辛い毎日です。カイロの先生から「膝関節の変位がある」と言われ、矯正治療を受けていますが、なかなか痛みが解消されません。他に何か有効な治療法がありますか? |
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膝痛の原因にもいろいろあります。まず、痛い箇所がどこかと、その患部の様子から大概は原因と治療方法が分かります。 梅雨のころというと、冷えとむくみが関係していると考えられます。また、カイロ的な矯正治療が即効性をみなかったということも、むくみが大きな原因となっていることを示しています。 足底の腎臓、輸尿管の反射区を押圧して圧痛があるか、大腿内側の腎経に足圧で圧痛があるかを診てください。腰の上方の腎臓のある辺りと膝周辺に浮腫があるかを確かめてください。以上の徴候があれば、足圧と温圧またはリフレクソロジーで、全身と特に痛みのある膝周辺のむくみを取る施術を行います。 忍耐強く3回〜7回の施術で、むくみの減少とともに痛みも次第に治まるでしょう。痛みがかなり楽になった時点で、更に膝関節の変位を調べて矯正すれば最善といえます。 NPO法人健美療術師協会会報 2005.7月号より |
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56歳女性ですが、3年程前から右股関節が痛くなり、整形外科に通院しています。病院では温熱療法と痛み止めの薬の処方を受けていますが、痛みは止まず、3ヶ月ほど前から痛みのため夜も眠れません。友人に整体を紹介されましたが、有効でしょうか? |
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変形性の股関節症は先天的なもの(発育不全のペルテス等)でなく、股関節の変位(ズレ)が原因である場合には、矯正によって治癒する可能性があります。 股関節の変位は、大腿骨または腸骨の変位によって起こります。そして大腿骨頭軟骨面の特定箇所が、寛骨臼に異常に強く接触したまま運動を繰り返すことにより、磨り減って発症します。 骨盤の矯正を行い、股関節が正常な状態で円滑に運動できるようになれば、痛みは消失もしくは半減致します。軟骨も、関節面が正常になれば再生の可能性がありますから、骨盤が正常な状態に落ち着くまで根気強く通院されることをお勧めします。 また、大腿の筋のバランスを整えるための手技療法も効果的ですから、詳しく調べてもらい、異常な緊張があればよく緩解してもらうとよいでしょう。 NPO法人健美療術師協会会報 2006.1月号より |
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55歳の男性です。以前から時々、左の足首がうずくように痛くなるのですが、3ヶ月前から腫れ上がってひどく痛み出し、リウマチも診る整形外科に行きましたが、レントゲンや血液検査では異常は見つからず、電気をかけて痛み止めの薬をもらっていますが、まだ腫れも痛みも治まりません。熱も少しありますが、整体で治るものでしょうか? |
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検査の結果「異常なし」ということであれば、足首の骨(足根骨)のズレがあるものと思われます。事故等で足首を強く打ちつけたとか、捻挫した経験を持っている方で雨の前日とか寒い季節になると足首が痛むという方がたくさんいます。 捻挫をした時に、足首の関節をきちんと矯正しておけば、その後に痛みは出ないのですが、ズレたままにしておくと炎症が起きやすいのです。 腫れと痛みは、ズレが根本原因となり、疲労やむくみ等が引き金となって炎症を起こしたためだと考えられます。正確に足首の関節のズレを調べて矯正すると、数日で腫れと痛みが引いてくることでしょう。通常は、足首の関節の距骨が外側に変位しますが、程度からして脛骨(距腿関節)の変位も伴っていると考えられます。 NPO法人健美療術師協会会報 2006.4月号より |
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16歳の男子高校生です。1年前にバドミントンクラブに入部して毎日練習していますが、半年ほど前から膝が痛くなり、病院で診て貰ったところ「成長痛」と言われました。安静にしていたら一時良くなりましたが、最近また痛くなり、練習に集中できず困っています。膝の屈伸時に膝のお皿の下が痛く、水が溜まっているかも心配です。 |
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年齢的には成長痛の出る時期ですが、スポーツ選手に発症しやすいということ、安静時には症状が軽減する等の因果関係から、単なる成長痛にとどまらず、筋肉疲労やそれに伴う関節の変位も関係しているようです。 疲労から大腿四頭筋(特に直筋)が緊張してくると、膝のお皿(膝蓋骨)が上方に変位し、下方に浮腫ができ、神経を刺激し痛みが発生します。特に、膝をつくなど屈曲させた時に、お皿の下側に痛みを感じます。 仰向けに寝て、足を真っ直ぐに伸ばした状態でお皿の上の位置を左右で比較し、上がっている方の膝に痛みが出ていたら、大腿直筋を少し緩解して、お皿の上方に両手首を乗せ、スピードをつけて下方にスライドさせてみてください。 高さが同じになったら膝の屈伸をしてみてください。膝をついても痛くなければ、大丈夫です。この膝蓋骨矯正は、膝蓋靭帯の緊張を緩め、脛骨粗面の炎症(オスグッド)を鎮めるのにも大変有効です。 NPO法人健美療術師協会会報 2007.1月号より |
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娘は14歳の女子中学生です。卓球クラブで毎日練習していますが、最近膝が痛くなり病院に通院してますが、なかなか良くなりません。特に右側の膝の上方内側の痛みがひどく、病院では「ジャンパー膝」だと言われました。整体は有効でしょうか? |
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「ジャンパー膝」とは、膝の伸展運動のし過ぎによって起こる膝の傷害で、痛みの場所から大腿四頭筋腱炎と思われます。指導者の知識不足で、無理な練習からケガや故障を招いたり、治療中の不適切指導によって選手生命が絶たれる場合もありますから、子供が先生に言いにくい場合など、親御さんが代弁してあげることも必要のようです。 治りが遅い場合、前回述べた通り、むくみや骨格の変位も複合的な原因になる場合があります。 膝の内側に痛みが出る場合は、高齢者の場合、O脚の人に多く、膝関節の内側に変形症を伴う痛みが大半です。しかし、青少年の場合は、骨盤変位による膝関節の変位が原因という場合が多いようです。 患側の腸骨が内方に変位し、仙骨患側が後方に変位して脚全体が外向きになると、膝の内側に負担がかかり、炎症が起きやすくなります。また、骨盤の影響で膝関節にも変位が起こりますので、ぜひ検査をお勧めします。 NPO法人健美療術師協会会報 2007.4月号より |
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40代前半の男性です。最近、年に2回ぐらい左側の太腿(フトモモ)の後と外側が痛くなり、ひどくなると歩くときに股関節と膝も痛くなり、動きもよくありません。整形外科を受診しましたが、レントゲンでは骨に異常はなく、鎮痛剤で対処しています。整体で治りますか? |
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前回に続き、臀部周辺の不定愁訴ですね。大腿部の痛みは、前回の坐骨神経痛の他に多いのが、浮腫が原因の筋の硬縮による鈍痛(硬縮が続くと、炎症を起こして刺激痛も起こる)です。 この場合は、硬縮した筋が股関節の亜脱臼を引き起こし、股関節痛を伴うこともあります。腎臓の腫大(背面下部の膨隆部)と腎経の圧痛があり、患側の大腿付け根(背面)が硬く緊張しているようなら、間違いなく浮腫が原因の股関節亜脱臼です。 遠因としては、腎臓の機能低下による浮腫(乳酸の滞留による筋の硬縮及び炎症)で、近因としては股関節の亜脱臼(大腿骨頭の後下方変位)です。特に、運動量の多い人が、梅雨時や秋口の体の冷え易い時期に発症します。 まずは運動量を控え、整体院で超短波やびわ温灸等で浮腫を改善してもらい、股関節の亜脱臼を矯正してもらってください。(正体法・患者伏臥位・足首を持ち、大腿骨頭を後下方から足底で前上方に押し込む) NPO法人健美療術師協会会報 2007.10月号より |
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60代の男性です。2年前から両方のふくらはぎが異常に硬くなり、時々痛みを感じるようになりました。更に最近は、右の脛(すね)に痛みと痺れを感じるようになり、整形外科で診てもらいましたが原因不明で、「糖尿病の合併症ではないか」とも言われました。血糖値は少し高い時があるぐらいで、薬も飲んでおらず、友人には整体を勧められました。 |
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病院で「原因不明」と言われる症状は、骨格矯正か、または栄養素療法で治る場合が多いようです。西洋医学は症状を抑える対症療法が主流ですが、整体や栄養素療法は、病院では行われない原因療法を行うからです。押しても駄目なら引いてみな!発想です。 整体の観点では、両方のふくらはぎが異常に硬くなっている時は、両腸骨の前上方変位の場合です。そのために坐骨が後方に変位して、大腿二頭筋や下腿三頭筋(ふくらはぎ)が緊張し、慢性化すると膝から下の血行障害を起こします。 うっ血により脛や足も腫れた状態になり、こりや痛みの症状も出てくると思います。特に、前脛骨筋は下腿三頭筋の拮抗筋ですから、互いに緊張し合います。 片方の施術だけでは効果が出にくいのですが、同時に両方施術すると、あっという間に両方の筋が緩み、症状が解消します。 NPO法人健美療術師協会会報 2008.7月号より |
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長い間、先の細いハイヒールを履いていたせいか、足の親指が変形してきました。 時々痛みを感じるので、病院に行ったところ、外反母趾という診断でした。いまでも痛みはあるのですが、整体治療で治るのでしょうか? |
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外反母趾は、足の親指が外側に反ることから命名されています。ハイヒールが原因と言われ、場合によっては手術によって削除することもあります。 外反母趾の人の共通点は、次のようなものがあります。 @腰痛持ち A捻挫しやすい B足首の外反 C偏平足 これらのことから、外反そのものによる痛みというより、腰からの神経痛と考えるべきでしょう。神経の働きを正常なものにすれば、痛みは解消されるはずです。 整体治療においては、左の外反母趾は左の腰椎下部(腰椎5番、仙骨1番)、右の外反母趾は右の腰椎上部(胸椎12番、腰椎1番)の指圧が効果的です。 筋肉的には排腹筋、前脛骨筋をリラックスさせます。足の伸筋を暖めることも良いでしょう。最後に足首に動きをつけて外反を矯正します。(定例勉強会で勉強したキネシオテープを使用するのも良いでしょう) |