肩こりがつづくと、きまってひどい偏頭痛に見舞われます。病院で診てもらっても異常はなく、鎮痛剤をもらっても効果がなく、整体に行き首の骨を矯正してもらいましたら、その場で頭痛が治まりました。矯正しても2ヶ月ほどすると同様の頭痛が起こりますが、なぜでしょうか?
病院の検査で異常がないのであれば、やはり頚椎の変位が原因ですが頭痛に直接影響する部位の頚椎の1,2番の矯正をしてもらったと思われます。
その2ヵ月後にはまた頭痛が起こるというのは、慢性化している肩こりのせいだと思いますが、それは頚椎下部の胸椎の1番や頚椎の7番の後下方変位が大きく影響しているからだと思われます。首の根元がぽっこりと盛り上がっていれば間違いありません。
この部位の変位は、腕の神経や甲状腺にも影響しますので、肩や腕の疲れがひどくなったり、また甲状腺ホルモンの関係で常に疲れやすい体質になったり、慢性的な肩こりの原因になりますので、ぜひ矯正してもらってください。また、上部頚椎の変位は顎関節の変位を引き起こし、目の奥や前頭部のはちまき状のひどい頭痛を引き起こしますので、思い当たる症状があれば顎関節も矯正してもらうと宜しいようです。
NPO法人健美療術師協会会報 2005.1月号より
 
30歳の女性です。二週間前から右首にしこりができて異常に凝ったような状態になり、同時期に右腕が上がらなくなりました。整形外科で受診し、肩こりが原因と診断され、筋肉を軟らかくする薬をいただいて一週間ほど服用していますが、まだ良くなりません。他によい治療法はありませんか?
やはり肩こりが原因と思われますが、容易に改善しないのには2つの複合的な原因が考えられます。経絡整体では、右側の肩こりは肝臓の疲労が考えられます。
乳幼児をお持ちのお母様の場合など、寝不足から肝臓に疲労が蓄積して「鬱血肝」となり、肝臓が肥大して右側の背中が膨隆します。そのため、右側の脊柱起立筋が緊張して、右の首筋に異常なコリをひき起こします。右大腿内側の肝臓経絡の足圧、肝臓にビワ温灸等の遠赤外線か超短波を当てて温熱療法を施すと、「鬱血肝」は改善していきます。
また、胸椎と肩甲骨の変位が伴っていると考えられます。脊柱が大きく右カーブして右の肩が左肩に比べて異常に高くなっている場合は、胸椎を軽く押圧して違和感を訴える箇所を左カーブを作って持ち上げ矯正し、更に右肩甲骨を外方から内方へ、内方を上方へ矯正すると右肩は瞬時に緩むでしょう。そして右腕の動きも円滑になります。
NPO法人健美療術師協会会報 2006.7月号より
 
50代の男性です。長時間の運転が2日続いて肩こりがひどくなり、新聞を読もうとして前かがみになった時に、右の肩甲骨の内側の筋肉がつってしまいました。暫くして、首が回らなくなり、健康センターで強めに揉んでもらいましたが、痛みがひどくなり、寝起きの時にも首が痛くて、頭を手で持って起きてます。何か、良い改善方法はないでしょうか?
不慣れな道や高速道路での長時間の運転では、特に腕や肩の筋肉は同じ姿勢を続けることで大変疲労します。更に緊張度が大きい場合は、交感神経が興奮して毛細血管が収縮して血行が悪くなり、乳酸を含んだ静脈血やリンパが滞留し、肩はパンパンに腫れ上がることでしょう。
このような場合は、強めの指圧や揉みは却って炎症を誘発しますから、控えたほうが良いでしょう。ホットタオルで暖めたり、閉じ気味の肩関節を背中側に大きく開いたり、深呼吸をしてストレッチをしたりして、2〜3日かけて、あせらずに徐々にほぐすことです。
首が回らなくなったのは、首の運動に筋肉が付いていけずに、腱が伸びて炎症を起こしたか、頚椎か胸椎上部(胸椎1、2番)の椎骨がズレたためでしょう。整体で矯正をしてもらい、炎症が治まるまで2〜3日安静にすると良いでしょう。
NPO法人健美療術師協会会報 2008.4月号より
 
最近、事務仕事でパソコンを使うことが多くなったせいか、肩凝りがひどくなりドライアイになったり、腕が重く感じられたりしています。マッサージに行ったりもしますが、軽くなるのは1日か2日ですぐ戻ってしまいます。何か良い解決方法はないでしょうか?
デスクワークをする方に多い症状です。特に、パソコンを使う方は、机に向かう連続時間がどうしても多くなりがちで、そのために症状がひどくなり、最終的には腕がしびれたりします。硬結した肩の筋肉が胸郭出口の血管や神経を圧迫し、ドライアイ、頭痛や腕の冷え、しびれの原因になり、一連の症状は「胸郭出口症候群」と言われています。
これは、単に肩の筋肉だけの問題ではなく、整体の立場から診ると、座る特定の姿勢から腰椎の後湾が起こり、連動して頚椎も後湾し、肩関節が前下方転位して胸郭出口部の斜角筋の緊張を招きます。
斜角筋の間には腕神経が通っており、圧迫によるしびれ等が発生します。脇の下の烏口突起を押圧して肩関節を後上方に矯正すると、烏口腕筋と斜角筋が瞬時に緩解して腕神経が解放されて、肩凝りと腕のしびれが改善されます。